一般に貸倉庫(レンタル倉庫)と言えばどのようなものをイメージされるでしょうか。
おそらく多くの方が「物流センターのような巨大な建物に次々とトラックが発着を繰り返す」というようなイメージをお持ちかと思います。
特に横浜市は、国際戦略港湾かつ、東日本の代表的国際貿易港を有しているため、その傾向はより顕著に現れるのではないでしょうか。
また、巨額のお金が動く貿易港である横浜港のおひざ元にある貸倉庫ですから、やはり費用面も高額で「個人や中小企業が使うにはとてもハードルが高い」と考えている方も多いことでしょう。
ところが実はその思い込み、半分正解で半分間違いなんです。
今回は、そんな謎の多い貸倉庫(レンタル倉庫)を横浜で探す方法について紹介していきます。
目次
2-1.大型貸倉庫(営業倉庫)
2-2-1.屋外型貸倉庫
2-2-2.屋内型貸倉庫
2-2-3.屋外型ミニ貸倉庫(レンタル物置)
まずは、神奈川県を中心に全国で多数の、中小企業や個人向け貸倉庫を取り扱っているマリンボックスから見た、横浜の貸倉庫事情について解説していきましょう。
人気エリア
横浜市では、元々は1911年、当時の物流拠点だった新港地区に国の保税倉庫として建設された歴史があり、今は人気観光スポットとして知られる赤レンガを擁するみなとみらい(新港地区)、そして現在の物流拠点である本牧地区などの湾岸エリアと、港からは若干離れた内陸エリアに大規模な倉庫群が見られます。
湾岸エリアでは外貨向け倉庫が、内陸エリアでは東京という一大消費地が近いことから、東名高速や圏央道といった各種高速道路のインターチェンジの近くに貸倉庫が集まる傾向があり、人気となっているようです。
穴場地域
日本を代表する港湾都市のイメージがある横浜市で貸倉庫と言えば、やはり、輸入などの大口需要をもつ大企業向けの大型貸倉庫ばかりというイメージがあるかと思いますが、実は中小企業や個人向けの小型貸倉庫もたくさんあります。
東京に次ぐ人口規模を誇る大都市であることから、中小企業や個人からの倉庫需要も高いからです。
内陸部でも港北区や都筑区といった、鶴見川沿いに古くからある工業地帯など、中小企業も多いエリアを中心にそういった小型貸倉庫が集まる傾向があります。
また、幹線道路沿いや、住宅街などに点在する小型貸倉庫も意外と多く穴場となっています。
治安面
倉庫を借りる上で、気になるのはその地域の治安面です。
横浜市は防犯に力を入れていることもあって、人口規模に対して凶悪犯罪の割合が低く割と治安が良いと言えます。気になるのは窃盗などとなりますが、これも防犯カメラが貸倉庫敷地に設置されていたり、周囲に人の目がある場所に立地していればかなりの抑止力になるはずです。さらに横浜市では繁華街をはじめ、街中へ防犯カメラの配備が進められていることも安心に繋がるのではないでしょうか。
貸倉庫(レンタル倉庫)は、大きく2つのタイプに分かれています。
ひとつは、倉庫業法によって規定され、倉庫業者によって運営されている大型貸倉庫(営業倉庫)、もうひとつはアメリカ発祥のセルフストレージに分類され、不動産業者によって運営されている小型貸倉庫(レンタル収納スペース)です。
それぞれの違いを見てみましょう。
大型貸倉庫(営業倉庫)
倉庫業法において「倉庫の所有者が他人の貨物を保管するための倉庫」として規定される営業倉庫のことで、運営は倉庫業者となります。開業にあたっては、届け出と、基準を満たすか否かの厳密な建築確認が必要とされ、新規参入が難しくなっています。広い敷地に大型の建屋が建っていることが多く、一般的にイメージされる倉庫と言えばこれです。
古くから貿易の盛んな港湾都市として発展してきた横浜市では、港近くの外貨向け倉庫はもちろん、東京などの大消費地と直結する高速道路の近くなど、需要の多い物流拠点に固まって立地しています。
基本的に大量の荷物のやり取りが発生する大きな法人を対象としており、防水・防湿・遮断・耐火性能を備えた建物構造は基より、厳密な温度・湿度管理システムを完備、保管対象のモノに応じた最適な環境を維持できるよう、24時間365日有人で徹底して管理してくれることが大きな特徴です。
利用者との間で結ばれるのは荷物を預かる契約(寄託契約)であり、特殊な保管設備や、24時間有人管理、荷物の保証などもあるため、費用は割と高額になりがちです。
個人でも利用できる営業倉庫(認定トランクルーム)もありますが、これは、1.5畳ほどのコンテナサイズ単位で月額料金が発生するため、荷物の多い方だと複数のコンテナを契約することになってしまい、結果的に割高になってしまいます。
なお、法人利用でも個人利用でも大型貸倉庫では、荷物の出し入れを担うのが倉庫業者であるため、倉庫業者の営業時間内にしか出し入れができないという点にも注意が必要です。
小型貸倉庫(レンタル収納スペース)
荷物を預かるのではなく、保管場所を提供するのが不動産業者の運営する小型貸倉庫(レンタル収納スペース)です。
利用者との間で結ばれるのは賃貸契約になり、荷物に対する保証は基本的につきません。もちろん、事業者によっては設備として各種セキュリティサービスに加入していたり、防犯カメラの設置や専用鍵による建物入口と契約した部屋の二重ロック、そして万が一の荷物の損害に対して保険をつけた契約をしてくれる場合もありますが、保証額に上限が設けられていることが多いため、あまり高価なモノの保管はしないのが無難です。
大型貸倉庫では大きすぎるというような中小企業の方や個人の方向けの倉庫であり、倉庫業者の運営する営業倉庫と比較して開業が容易で、出店場所にも制限が少ないため、人口約370万人を擁する横浜市内にも数多くの小型貸倉庫(レンタル収納スペース)事業者があり、小型貸倉庫の施設数は営業倉庫よりはるかに多い数となっています。
荷物の出し入れは利用者が行うため、24時間365日いつでも自由に出し入れができることと、無人管理である分利用料も安いこと、住宅街の中など家の近所で貸倉庫を見つけられることが大きなメリットであり特徴と言えるでしょう。
屋外型貸倉庫
国際戦略港湾である横浜と関係の深い、海上輸送用の丈夫なコンテナをそのまま貸倉庫として転用したタイプです。
海上という過酷な環境でも中の荷物を雨風や海水から守る堅牢な造りが特徴で、主に常温で保管できるものに向いています。
広いものでは8畳以上、搬入用駐車スペース完備のものも多く、お部屋の目の前まで車を横付けできるので、家具や家電などの大きな荷物の出し入れにも大変重宝しますよ。
ただ、小型貸倉庫の中で最も単位面積当たりの利用料が安いという大きなメリットがある反面、気密性が高い分湿気も籠りやすいという欠点もあるため、湿気に弱いものの保管には、床にスノコを敷くなどして、荷物と倉庫の床の間に空気の通り道を設けてあげるなどの対策が必要となります。
屋内型貸倉庫
既存の建物内の一部をパーテーションで区切ったタイプの倉庫です。
天候に左右されずに荷物の出し入れができる点、空調完備のタイプであれば、屋外型貸倉庫では保管に適さないようなものの保管もできる点、建物入口と部屋入口で二重ロックできるので防犯面にも優れている点が大きなメリットです。
デメリットとしては、小型貸倉庫の中では一番単位面積当たりの利用料が高くなる点が挙げられます。
屋外型ミニ貸倉庫(レンタル物置)
こちらは、「100人乗っても大丈夫」でおなじみの、あのイナバ製物置を活用したタイプです。
コンテナを利用した屋外型貸倉庫タイプと比べてさらに小型の倉庫になりますが、扉が大変軽く、老若男女関係なく楽に開け閉めができること、専用鍵で防犯面も安心という点、中に作り付けの棚があり、使い勝手が良いというメリットがあります。
デメリットとしては、住宅街の中など狭い敷地に出店しているため、屋外型貸倉庫と比べて搬入用駐車スペースが狭い傾向があるということが挙げられます。
いかがでしたでしょうか。
横浜市内の貸倉庫は、「物流センターのような巨大な建物にトラックが発着を繰り返す」や、「個人や中小企業が使うにはとてもハードルが高い」というステレオタイプな倉庫のイメージだけではないこと伝わりましたでしょうか。
大型貸倉庫と小型貸倉庫のそれぞれの特徴を紹介してきましたが、それぞれに良い点悪い点があります。
横浜で貸倉庫を探すときは、「何をどのくらいの量預けるのか」、「頻繁に出し入れする可能性があるか」等をしっかり明確にしたうえで、一人ひとりにあった、最善の貸倉庫を見つけてみてください。